2010年7月3日土曜日

民事調停 Q&A


※内容的には2003年当時のままです。現在と異なる状況も考えられます。参考程度にどうぞ。


裁判所で民事上のトラブルを解決する代表的な方法として、訴訟と調停の2つの制度があります。
訴訟は、裁判官が、当事者双方の言い分を聞き、証拠を調べた上で、法律に照らしてどちらの言い分が正しいかを決める制度です。
調停は、裁判官のほかに良識ある民間人2人以上が加わって組織された調停委員会が、必ずしも法律にしばられないで実情にあった解決をめざして当事者を説得し、その結果、当事者が合意することによりトラブルを解決しようとする制度です。

ですから、証拠がある場合には裁判で戦い、証拠がない場合には調停で話し合う、という形が多いと思います。
ただし、前述の通り、調停は、必ずしも法律に基づいた決定ではないこともありますので、その点は注意が必要です。


ここでは、民事調停についてのQ&Aをまとめてみました。
(サイト内検索をご利用ください。)


最高裁判所のWebページに記載してある内容を参考にしています。
大事な事なので、間違いがあってはいけませんから。
平成15年7月3日現在の情報です。


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  調停の申立て手数料と裁判所に納める郵便切手はどのくらい必要ですか?

  調停の申立てをする際には,手数料と郵便切手が必要となります。
手数料は、収入印紙で納めてください。収入印紙は,郵便局で買うことができます。
他に、裁判所の中に販売所があったり、近所のタバコ屋で取り扱っていたりします。
裁判所の職員に聞いてみてください。最寄の販売所を教えてくれます。
手数料の額は、もめごとの対象となっている金額によって異なりますが、訴訟の場合よりも安くなっています。
金額の目安として、例えば、もめごとの対象の額が5万円までの場合には申立手数料は300円に、(これが最低額です)
以降5万円ごとに300円増額、30万円の場合には申立手数料は1,800円に、30万円以上は5万円ごとに250円増額、
もめごとの対象の額が100万円の場合には申立手数料は5,300円になります。
このように、申立の趣旨の金額により収める手数料が変わってくる、という事になりますので、
詳しくは最寄の裁判所に問い合わせてみてください。

郵便切手は,関係者に書類を送るためなどに使います。郵便切手の金額は,相手方の人数や書類を送る回数などによって異なります。
一般的には、80円切手5枚です。使わなかった分は、調停終了後の手続きにより返還されます。

 

 逆に、 調停の相手方になった場合はどうしたらいいですか?

  調停は、裁判官と一般の方から選ばれた調停委員が申立人と相手方の仲に入り,話合いで円満にもめごとを解決する手続です。
話合いを進めるためには、裁判所から通知された日時(呼び出し状に記載)に必ず出向かなくてはいけません。
病気などのためにどうしても行けない場合には、簡易裁判所の担当の裁判所書記官に相談してください。

次に、調停の前に「相手方」が準備することについて。
調停期日でもめごとの内容やあなたの言い分について説明できるように準備しておいてください。
契約書や領収書などもめごとの内容を説明するために役に立つ書類があったら、当日持参するようにしてください。

 

  呼出期日にどうしても裁判所に出向けない場合はどうしたらいいですか?

  調停は,話合いによりもめごとを解決する手続です。
従って、調停の相手方になった場合にも、呼出状により通知された日時に、必ず行かなくてはなりません。
もし、病気などのためにどうしても行けない場合には,簡易裁判所の担当の裁判所書記官に相談しましょう。
やむを得ない場合には、御家族や会社の従業員などを代理人にすることができる場合もあります。
また、期日を変更することもあります。

 

  調停が成立した場合の効果はどうなりますか?

  話合いがまとまると、裁判所書記官がその内容を調書に記載して、調停が成立します。
この調書には、確定した判決と同じ効力がありますので、原則として、後から不服を唱えることはできません。
この調書において、金銭の支払や建物の明渡しなど一定の行為をすることを約束した場合には、当事者はこれを守る必要があります。
もし一方がその約束した行為をしない場合には、もう一方は、調書に基づいて、裁判所に対し、強制執行の申立てをして、約束の内容を実現することができます。

調停調書を受け取るためには、簡易裁判所に申請していただく必要があります。
受け取るまでには、通常、調停終了後、1週間程度かかります。
詳しくは、担当の裁判所書記官にお問い合わせください。

 

  調停が成立しなかった場合、その後の手続はどうすればいいですか?

  調停では、お互いの意見が折り合わず、話合いの見込みがない場合には、手続を打ち切ります。
打ち切る前に、 「調停に代わる決定」が裁判所より出される事もあります。

調停が成立しなかった場合に、もめごとの解決をなお希望されるのであれば、訴訟を起こすことができます。
訴訟は,もめごとの対象となっている金額が、90万円以下の場合には簡易裁判所に、 90万円を超える場合には地方裁判所に起こします。
調停打切りの通知を受けてから2週間以内に同じもめごとについて訴訟を起こしますと、調停申立ての際に納めた手数料の額は、訴訟の手数料の額から差し引くことができます。

手続については、簡易裁判所の担当の裁判所書記官に問い合わせてください。

 

  調停に代わる決定とはどのような手続ですか?

  調停では,お互いの意見が折り合わず、話合いの見込みがない場合には、手続を打ち切ります。
また、話合いの見込みがない場合には、裁判所は、適切と思われる解決案を示すこともあります。
これを「調停に代わる決定」といいます。
「調停に代わる決定」は、お互いが納得すれば調停が成立したのと同じ効果がありますが、どちらかが2週間以内に異議を申し立てると、効力を失います。

その場合には,訴訟を起こすことができます。




※この記事は、2003年7月にまとめたものを一部改稿したものです。あくまで当時の記録としてご覧ください。


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