2010年7月3日土曜日

ドキュメント・退去精算金返還一年紛争 第1章


※内容的には2003年当時のままです。現在と異なる状況も考えられます。参考程度にどうぞ。

第1章
支払わなければよかった!
 

私は、平成4年の7月に今回の舞台となるA氏の母親が経営するアパートに新築直後に敷金52,000円を預ける等の賃貸借契約をして入居しました。

約9年10ヶ月の入居の後、私は平成14年5月20日にこのアパートを退去しました。
この時の賃貸借契約書には、退去時における敷金の取り扱いや、原状回復の解釈について明確な記載はまだありませんでした。
もっとも、いわゆる敷金トラブルが表面化してきたのは最近のことですから、当然と言えば当然です。

私が退去した平成14年5月20日に、賃貸契約の仲介者である、「○○○○  ○○支店」(以下仲介人)担当者により、現状の確認が行われ、同担当者立ち会いの元で鍵を返却し、同住宅を引き渡しました。
その際に、仲介人の要請により、本賃貸借契約書を仲介人へ返却しました。
既に終了した契約書なので、こちらで処分する、との事でした。
今思えば、こういう書類は、渡すべきではなかったのですが。


こうして、約10年住んだアパートに別れを告げた訳ですが、このときの考えとしては、まあ、多少費用は掛かるかもしれないけど、そんなに大きい額ではないだろうな、って感じでした。


ところが・・・


賃貸人であるA氏の母親は、5月31日に仲介人を通じて、貸室の清掃及び各種工事との名目(以下、退去時精算金等)にて、183,750円を私に請求し、敷金及び平成14年5月分の日割り家賃の残額をこの支払いに充てるとした上で、更に不足分である115,750円の支払いを求めてきました。
名義上は、A氏の母親所有となっているこのアパートですが、入居当時はお元気だったA氏の母親も、その後、高齢のため若干痴呆症状も出てきてしまったとの事で、 実際は、息子であるA氏が経営の実務を行っています。

ビックリしましたね、この金額には。
私は、当然この請求金額及び精算方法に納得がいかないため、A氏(正確には、A氏の母親ですが、実務をA氏が継承しているので、今後、A氏とします)
対する支払いを留保して、ちょっと考えてみました。

「こんなに支払う必要があるのかな?」と。

しかし、請求を受けた平成14年5月31日時点において、この計算方法を不当とする明確な根拠を得ることが出来ず、また、仲介人を通し、A氏側より退去時精算金の督促を受けたため、不本意ながら請求どおり支払うことにして、直接持っていきましょうか、と電話しました。
すると、A氏側は「振込みで」との意向でしたので、 平成14年7月1日に指定する口座宛て送金しました。

でも、この支払いは前述の通り請求金額及び精算方法に納得した上で積極的に支払ったものではありません。
支払いたくないけど、A氏から「あなたが支払う必要があります」、と言われたから、仕方なく支払ったのです。
これがポイントになります。

私は、一旦はA氏の請求通りに退去時精算金等を支払いましたが、請求金額及び精算方法の有効性について不審な点があると考え、民法、および本件と類似する過去の判例、事例等、また、国土交通省住宅局が示した「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を独自に調査しました。


ここでは、Webが大変役立ちました。
同様な事例が出てくること、出てくること。
諸先輩方(?)の体験談、または、裁判での判例などなど、調べれば調べるほど、私が支払ったお金は、本来支払わなくても良かったんだ、と思い知らされました。
うーん、悔しい!

で、その結果、A氏が私に対して行った請求及び精算方法は、不当に過大なものであったと認識するに至り、A氏に支払った退去時精算金等のうち、本来、入居者である私の責により支払うべき金額を差し引いた残額の返還を請求することにしました。



※この記事は、2003年7月にまとめたものです。あくまで当時の記録としてご覧ください。


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