24ヶ月点検をやろう
さて、書類も一通り揃ったら次は「法定24ヶ月点検」を実施します。
「法定」なんて言うと硬いイメージに聞こえますが、点検項目が決まっている、といった意味合いですので そんなに構えなくても大丈夫です。
この24ヶ月点検ですが、自動車整備士にしかできない、という訳ではありませんので、自分で行っても問題ありません。
ただ、やはりアクセルを踏めば時速100km以上で走ってしまう「機械」の点検ですから、それなりに真剣にやりましょう。
自信がなければ、自動車整備工場に車検を依頼した方がいいでしょう。
ここでは、定められた点検項目の紹介と簡単なアドバイスのみを掲載します。
最初に書きました通り、ある程度車いじりが出来る人が対象となります。
「何が書いてあるのか解からない」「自分で点検する事に自信がない」といった人は
迷わず、整備工場に点検を依頼してください。
くどいようで申し訳ありませんが、あくまで点検するのはあなた自身ですし、その結果、上手くいかなかった、車検に通らなかった、車が壊れた、 などと言われましても、当ブログではその結果については一切責任を持てませんので、あらかじめご了承ください。
24ヶ月点検項目
青い文字は1年5.000km以下、赤い文字は2年10.000km以下の走行距離によって省略できる項目です。
「やらなくても良い」だけですので、点検しても一向に差し支えありません。走行距離にかかわらず、すべての項目の点検を実施する事をお勧めします。
エンジンルーム点検
パワー・ステアリング(装着車のみ)
- ベルトの緩み、損傷
- 取り付けの緩み
- オイルの漏れ、量
オイルの量はリザーバタンクのふたを開けて確認します。
ベルトは張り具合、傷などをチェックします。
もちろん、ついていない車はこの項目はパスします。
点火装置
- スパークプラグの状態
- 点火時期
- ディストリビュータのキャップの状態
プラグは取り外して状態をチェックします。
点火時期は、通常の走行でノッキングが起きていない限り大丈夫です。
ディストリビュータは、接点、ハイテンションコードの状態をチェックしてください。
バッテリ、電気配線
- ターミナル部の緩み、腐食
- 電気配線の接続部の緩み、損傷
接続部分が緩んでいると危険ですから、充分チェックしてください。
また、他の部分(特に回転部分)に干渉していないかも点検してください。
エンジン
- 排気ガスの状態
- エア・クリーナ・エレメントの汚れ、詰まり
エアクリーナーは取り外して点検します。汚れていたら、清掃、または交換しましょう。
冷却装置
- ファン・ベルトの緩み、損傷
- 冷却水の漏れ
LLCの量は充分か、リザーバタンク、ラジエーターのキャップを開けてチェックします。
エンジンをアイドリング状態にして水周りのパイプ、ホースから漏れていないかも点検します。
燃料装置
- 燃料漏れ
- リンク機構の状態
- スロットル・バルブ、チョーク・バルブの作動
フューエルポンプ、燃料関係のパイプ、ホース類、キャブレターなどから燃料が漏れていないかを確認します。
スロットルバルブ、チョークバルブの動きはスムーズか、がたはないか、点検します。
公害発散防止装置等
- メタ-リング・バルブの状態
- ブローバイ・ガス還元装置の配管の損傷
- 燃料蒸発ガス排出防止装置の配管等の損傷
- 燃料蒸発ガス排出防止装置のチェック・バルブの機能
- チャコール・キャニスタの詰まり、損傷
- 触媒等の排気ガス減少装置の取り付けの緩み、損傷
- 二次空気供給装置の機能
- 排気ガス再循環装置の機能
- 減速時排気ガス減少装置の機能
- 一酸化炭素等発散防止装置の配管の損傷、取り付け状態
配管類、ホース類が複雑に配置されていますが、外れていたり、損傷がない限り問題ありません。
室内点検
ハンドル
- 操作具合
ステアリングを上下、左右、前後に動かし、がたや遊びをチェックします。
ブレーキペダル
- 遊び、踏み込んだときの床板とのすき間
- ブレーキの効き具合
エンジンを掛けてペダルを踏み込んだとき、床板に当たっていないかチェックします。
踏んだとき、ふわふわしたり、効きが悪い、ハンドルを取られる等の異常がある場合は、整備を依頼してください。
パーキング・ブレーキ・レバー(またはペダル)
- 引きしろ(または踏みしろ)
- パーキング・ブレーキの効き具合
坂道で駐車できれば、まず問題ないでしょう。
クラッチ・ペダル
- 遊び、切れたときの床板とのすき間
ペダルの遊びと踏んだときの床板とのすき間をチェックします。
足回り点検
かじ取り車輪
- ホイール・アライメント
普通に走れていれば問題ないはずですが、気になる人は一度カーショップ等でチェックしてもらうのも良いでしょう。
ショック・アブソーバ
- 損傷、オイルの漏れ
サスペンション
- 取付部、連結部の緩み、がた、損傷
ブレーキ・ディスク、ドラム
- ディスクとパッドとのすき間
- ブレーキパッドの磨耗
- ディスクの磨耗、損傷
- ドラムとライニングとのすき間
- ブレーキ・シューの摺動部分、ライニングの磨耗
- ドラムの磨耗、損傷
ブレーキのマスタ・シリンダ、ホイール・シリンダ、ディスク・キャリパ
- 液漏れ
- 機能、磨耗、損傷
この項目はタイヤを外して点検を行います。
目視や、手で触ってみて状態を点検します。
市販のブレーキクリーナー(スプレータイプ・カーショップ等にあります)を使ってみるのも良いでしょう。
ホイール
- タイヤの溝の深さ、異常な磨耗
- ボルト、ナットの緩み
- フロント・ホイール・ベアリングのがた
- リア・ホイール・ベアリングのがた
タイヤを取付け、ゆすってみてがたがないか、取付け状態(ナットの締め具合)は充分か点検します。
タイヤの減り具合は目視でチェック出来ますね。
下廻り点検
エンジン・オイル
- 漏れ
少しでもオイルの滲みがあると検査コースで間違いなくはじかれます。
充分にチェックして、もし滲みがあれば良く清掃して検査に臨んで下さい。
ステアリング・ギア・ボックス
- 取付の緩み
ステアリングのロッド、アーム類
- 緩み、がた、損傷
- ボール・ジョイントのダスト・ブーツの亀裂、損傷
取付け状態をチェックしてがた、曲がり、損傷がないか、ギアボックスのオイルは漏れていないか点検します。
トランスミッション、トランスファ
- オイルの漏れ、量
プロペラシャフト・ドライブシャフト
- 連結部の緩み
- ドライブ・シャフトのユニバーサル・ジョイント部のダスト・ブーツの亀裂、損傷
デファレンシャル
- オイルの漏れ、量
オイルの漏れ、連結部の状態、シャフトの状態を点検します。
軽自動車はほとんどFF駆動ですから、ドライブシャフトのダストブーツは特によく見てください。
ドライブシャフトを外さなくても取り付けられるブーツがありますので、亀裂、破れがあるときは交換します。
ブレーキのロッド、ケーブル類
- 緩み、がた、損傷
ブレーキ・ホース、パイプ
- 漏れ、損傷、取付状態
ブレーキ関係は大変重要な部分です。
少しでも異常があったり、また、「おかしいな」と思ったら整備工場などで点検整備を受けてください。
重要な部分だけに、素人判断は危険です。
エキゾースト・パイプ、マフラ
- 取付けの緩み、損傷
- マフラの機能
- 熱害防止装置の遮熱板の取付けの緩み、損傷
穴があいていないか、錆び、亀裂はないかチェックします。
小さい穴なら市販のマフラー補修剤を利用して修理しましょう。
錆びたところは耐熱塗料(スプレータイプ・ホームセンターなどにあります)を使って補修すれば見た目も綺麗ですし、錆びの進行も止められます。
外廻り点検
フレーム、ボデー
- 緩み、損傷
あまりに大きな凹みでもない限り、まず大丈夫です。
その他に点検する項目
点検整備記録簿に記載する項目以外にも検査対象となる物があります。
一通りチェックして下さい。
- 灯火装置、反射器、指示装置
- ワイパー、ミラー類(視野を確保する装置)
- 窓ガラス
- シートベルト、ホーン、発煙筒(車内の装備)
電球類は切れている物がないか点検します。
暗い、というのはバッテリー等を点検した方がいいです。電球は古いから暗くなる、という事はありませんから。
光軸等に関しては、ロービームなのに対向車からパッシングされる、なんてことがない限り大丈夫でしょう。
ワイパーはスムーズに動いていれば問題ありません。ウォッシャー液が正常に出ればOKです。
ミラー類は割れたり傷がないかチェックします。よほどの事がない限り問題ありません。
ちなみに、私の車はガムテで補修してあるのですが、問題なくパスしました。
ガラスに関しては、運転席、助手席のスモークフィルムはもちろんの事、前面ガラスにステッカーなどを貼っている場合にはすべて剥がして下さい。
前面には検査証票と点検ステッカー以外は貼れません。貼ってあると不合格です。
また、仮にサイドの窓を全開にして受検したとしても、「閉めてください」と言われますから、念のため。
ホーンは音色が一定していればOKです。発煙筒は有効期限の確認をお忘れなく。
余分な物がついている場合は、極力外して検査を受けた方がいいのは言うまでもありません。
新車の状態がベストなのですから。
さて、法定24ヶ月点検も済みました。
悪いところは整備して、車もベストの状態になったら、次は継続検査の予約をします。
いきなり行っても検査は受けられませんよ。
※ おことわり ※
この記事は、2001年5月に『Web momoko』のコンテンツとして初めて登場し、その後、『A Weblog@桃』に転載したものを一部改稿して再度記事にしたものです。
初稿公開から相当時間が経過してしまっていますので、あくまで参考程度にお読み頂ければと思います。
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